11曲目、美しい

この世には、衝撃的ではなくとも心に深く刻まれるものがある。Tempalayの「美しい」という曲も、その中のひとつだ。Tempalayの3rd Album『21世紀より愛をこめて』の11曲目に収録されている。

 

この曲はTempalay、特に小原綾斗さんにとっての美しさが音楽になっているのだと思う。いろんな音で構成されているけど、そこに攻撃的な音はない。優しい。聴いていてホッとする。

音も歌詞も、心に近いものをストレートに表現しているのではないだろうか。それはアルバムの中でも、Tempalayの数ある曲の中でも、稀有な感じがする。

 

『21世紀より愛をこめて』のCDは『ゴーストアルバム』以前から持っていたけど、最近初めてこのアルバムをちゃんと聴いた。それでこれもやばいアルバムだということに気がついて、ついでに1stと2ndも買った。全部良くて困っている。そして『ゴーストアルバム』はTempalayの過去が気になるほど名作だ。今までのフルアルバムを揃えてみて、Tempalayは時とともにアップデートしつづけていることがわかった。本当に面白いバンド。これからもTempalayの行く先を見届けていたい。どうか、永く続けてほしい。

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小原綾斗さんはやっぱりすごい。もちろんNatsukiさんやAAAMYYYちゃんがいるからこそ今のTempalayであることは大前提だけど、私は完全に小原綾斗さんの脳みそに惚れている。うれしかったり、なんだかくやしかったり。

小原綾斗さんのことを知る中で、自分と違うところの方が多いんだけど、似てるなと感じることも多い。田舎生まれ田舎育ち。天邪鬼。邦楽好き。あと、2年くらい前のインタビューで言っていた出不精とかひとり映画が好きとかもめちゃくちゃわかる。そのインタビューで好きな映画をいろいろあげていたけど、『青い春』が出てきたときはめちゃくちゃびっくりした。私も好きなやつだから。

同じものが好きということは、感覚が近いのだと思う。とても嬉しい(とはいえ他人なので、似てるから同じだと思わないように気をつける)。また、近いところがあるからこそ、小原綾斗さんのアンテナの高さ、多さがわかる。尊敬。

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(こんなイメージ。拙い絵だな)

それでキャッチしたものをアウトプットして音楽を成しているのだから、すごい。私は楽器なら少しできるけど、音楽をつくることなどできない。すごい。小原綾斗さんのつくる音楽や歌詞が良い理由は、それだけ彼自身が、人、自然、音、言葉などすべてに対して、五感を存分に使って触れてきたからなのだろう。

 

 

 

そんな小原綾斗さんと放送作家の宇野コーヘーさんの会話が聞ける『ニュー宝島』というポッドキャストがある。

open.spotify.com

2人の掛け合いは何回聴いても面白い。「フッ」となることが多い。あと声が良い。2人の声が似てないから聞きやすいのも良い。2020年4月から始まって現時点で28回配信されている。今はTempalayがツアー中だからか1ヶ月以上更新されていないけど、その緩ささえ良い。不定期更新だろうと1回分の時間が大幅に増減しようと続いてほしい。次回の更新も楽しみ。それまで過去の配信を楽しんでおく。

 

 

 

私は今日も今日とて、Tempalayとニュー宝島を聴く。