好きブレーキ

このごろ好きな人やものが増え続ける。それは楽しいことだし、鬱で死んだように生きていたときを思い出すとありがたいことだ。しかし、困っている。

いかんせん、お金がかかる。お金持ちだったらできることが広がるんだろうけど、私はお金持ちではない。お金持ちだったらいいのに。しかし自ら選んで今の仕事をしているわけで、仕事にこれといった不満があるわけではないから、それはただのないものねだりでしかない。

 

 

好きの連鎖が止まらないのはなぜだろう。好きだと思うハードルが低いからか?相当なことがないと何かを嫌いにならないタチだからか?時間があるからか?たぶん全部そうだ。

あと、好きな「人」だと特にお金がかかるんじゃないか?人を好きになったら、その人の書く文章を読みたくて本を買うし、その人が出ている映画を観たくて、舞台に立っている姿を観たくてチケットを買うし、その人の音楽を聴きたくてCDを買う。それならお金がかかるのは当然だ。お金を出せば確実に何かを得られるし、好きな人の役に立っているようで嬉しくなる。それを否定するわけではないが、私の場合、人を好きになりすぎている。でもこれは仕方ない。世の中に面白い人が多すぎるのだ。

きっと「もの」を好きになったほうがお金はかからない。まあどちらにせよ節度を保たないと結果的にお金はかかるだろうけど。この節度というものが難しい。

 

 

あ、書きながら思いついた。好きな「もの」を自分がつくる側になったら、好きな「こと」になる。音楽をつくったり、執筆したり、料理をしたり、編み物をしたり。お金はかかるけど、創造性のあるほうがいいかもしれない。好きなことを極めれば、お金がかかるどころの話ではなくなり、お金を稼ぐこともできる。

私だってお金は欲しいけど、だからといって好きなことを仕事にすると嫌いになってしまいそうで怖い。飽き性だし。これからも、好きになったら好き、ただそれだけでいい。

 

 

そんなことより好きの連鎖が止まらなくてお金がかかるのが問題だ。今までどうやって止めていたのか忘れてしまった。困る。

でも、楽しいほうがいい。身の丈をわきまえつつ、楽しいほうを選んでいたい。